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【OKUROJI スイーツ図鑑】#4
日比谷で味わう茨城の旬。

<small>【OKUROJI スイーツ図鑑】#4</small><br/>日比谷で味わう茨城の旬。<br>
グルメ

2021.04.06

COOK BARN TOKYO

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これまでに数々のスイーツを食してきたスイーツライターchico さんが OKUROJI の名店を巡り、名物スイーツの魅力をレポートする「OKUROJIスイーツ図鑑」。No.04 は『COOK BARN TOKYO』の苺とフォンダンショコラのパートフィロ包み。

Photo:Kenji Nakata Text:chico

お肉にする?デザートにする?

道路側のエントランスから入ると、アートな牛のオブジェに出迎えられて、もう楽しい !
こちら、『COOK BARN TOKYO』は、茨城・土浦市の人気ステーキハウスの新業態。カジュアル・カフェ・ダイニングだから、常陸牛のグルメバーガーやステーキで過ごせるのはもちろん、茨城産フルーツのデザートも充実しているんです。

お肉にする?デザートにする?

茨城といったら、果物に恵まれたフルーツ王国!

こちらではシーズナルな果物を使った5種ほどのデザートで、茨城の旬を味わい尽くせます 。
これまでにシャインマスカット、笠間栗、富有柿などのデザートをリリースしてきたといいますが、この時期はいちご! 土浦市『ケロケロ農園』から直送されるいちごは、時期によって、紅ほっぺ、やよいひめ、いばらキッス、かおり野と、キャラの違う品種に変わっていくのもお楽しみ。
今日は「いばらキッス」だそう。甘味も酸味もしっかりあり、とにかくジューシーな茨城オリジナル品種がさて、どんなデザートに?

茨城といったら、果物に恵まれたフルーツ王国!

おいしさ詰め込んだ、パリパリの包み。
オープンキッチンに目をやれば、まさに作っているところ。わ、のぞかせてください。

料理もデザートも担当する長嶺哲也さんが手がけていたのは、「苺とフォンダンショコラのパートフィロ包み」(1,400円)。

パートフィロとは焼くとパリパリになる、小麦粉でできた極薄生地 。
バターを塗ったパートフィロに、カスタードであえたいちごとフォンダンショコラを包んでいきます。

チョコレート片でもガトーショコラでもなく、フォンダンショコラを入れているのですね。
「熱で溶けるようフォンダンショコラにしています。ちょうどいい具合にとろけるよう試行錯誤して……粉を入れない配合です」。なるほどそれは楽しみ。
キュッとねじって包んだらオーブンで焼いていきます。

そうして運ばれたのは、大きな巾着みたいな包み!

パートフィロを使ったお菓子はパティスリーでもしばしば見かけますが、このサイズはなかなか見ないかも。直径にして12cmほどとボリューミィ。

ナイフを入れるとパリパリパリ! たまらなくいい音を辺りに響かせ、パートフィロが崩れると、中から色とりどりのフィリングがとろーり。
ふわりと甘い香りも立ち上ってと、次から次へと五感をくすぐってきます。これぞ出来立ての瞬間だけ楽しめる、レストランデザートの醍醐味!

口にすると、パリとろ! 火を入れてとろりと甘さが凝縮したいちご×ソースのようにとろりと 絡むフォンダンショコラの至福コラボを、カスタードがまろやかに包み込むよう。
そのとろける食感に生地のパリパリが、なんとも軽快なアクセントになっています。
添えられたいちごのフレッシュさと、火の通ったいちごの甘さのコントラストも楽しい!

「フォンダンショコラにはカカオ分高めのビターなチョコレートを使うことで、いちごとカスタードの甘さとバランスをとっています」と長嶺さん。
おかげでチョコレートが入っても重すぎず、生地の薄さやいちごの甘酸っぱさも手伝って、このボリュームでも意外とぺろっといけそうです。

名店の流れを汲む、いちごを味わうナポレオンパイ。 もう一つ、はずせないのが『ナポレオンパイ』800円(数量限定)。

いちご、カスタード、生クリームを挟んだミルフィーユ、“ナポレオンパイ”といえば、銀座に も店を構えていたレストラン『マキシム』ですよね。
長嶺さんの師匠である、『KIHACHI』の熊谷喜八シェフはパリの『マキシム』で修行し、そのおいしさに感激。マキシムへのオマージュを込めていちごの季節に作り続けているといいますが、このナポレオンパイ、長嶺さんが『KIHACHI』にいた頃、師匠から直伝されたものがベースだそう。

いちごが宝石のように輝いています。こちらも今日は『いばらキッス』。「その日のいちごに合わせて 生クリームの砂糖の量を決めています」と長嶺さん。
「パイはいちごやクリームの水分が染み込まないよう、しっかり焼いてさらに表面を少しキャラメリゼしています」。そうすることでサクサクをキープしているというわけです。

ひと切れ口にすると、しっかりめに焼かれたパイがザクザクとクリスピーに崩れ、いちごの果汁 がじゅわり! その相対する美味しいテクスチャーを、クリームが滑らかに繋いでいくかのように蕩けます。いちごが主役の見事な三位一体!

ほかにも、パフェ、タルト、パンケーキ(パンケーキのみ14:00〜)とさまざまな茨城いちごのスイーツが待っています。いちごは5月上旬まで。その次は茨城が誇る鉾田のメロンがいろんなデザートになるというから、それもまた待ち遠しい! 茨城の旬の恵を日比谷でゆるゆると楽しんでみては?

Profile

長嶺哲也さん 
中学生の時にTVで見た『オテル・ド・ミクニ』三國清三シェフに憧れ、料理の道へ。都内ホテル、『KIHACHI』などのレストランで経験を積み、昨年12月ごろから『COOK BARN TOKYO』に入り、料理とデザート両方を手がける。休みの日は家事をこなしたり、自転車であちこち出かけたりすることが多い。趣味はピアノ、好きな芸能人は志村けん。OKUROJIでは、お隣の『PATISSERIE PAROLA』がお気に入りで、たまにカヌレを家族に買って帰るのだとか。『TEPPANYAKI 10 STEAK & LOBSTER』も気になっているそう。


chico(チコ)
スイーツライター。食への興味が抑えられず1999年、モデルからフードライターへ転身。その後お菓子の知識を競うTV番組への出演をきっかけに、本格的にスイーツライターとして活動するようになる。スイーツのトレンドに精通し、『anan』や『Hanako』、『BRUTUS』、『エルグルメ』はじめ多数の雑誌やweb、TVでスイーツ記事の執筆やスイーツ特集の企画監修を行うほか、ギフトのセレクトショップ『g GIFT AND LIFESTYLE』やECサイト『SALUS ONLINE MARKET』などのスイーツ監修も手がける。『anan』で『Food News 〜chicoのお菓子な宝物』、『SALUS』で『もらって嬉しい手土産スイーツ』を連載中。『東京の本当においしいスイーツ探し』シリーズ監修。共著に『東京最高のパティスリー』。

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